パワハラもネタとしてウケる時代に思うこと

パワハラもネタとしてウケる時代に思うこと

昨今、上司が部下に対して厳しくすると、すぐにパワハラ騒ぎになります。でも、こんなテーマでも面白おかしく脚色しているドラマや漫画があるので、筆者の20年前の笑えない経験も今では笑い話になるのかもしれません。

辛かったトイレ掃除

新入社員だったころのトイレ掃除の話です。入社して数日後、当時の上司から毎日トイレ掃除をするように仰せつかりました。見習いで役立たずだった筆者は、一つでも自分をやとってくれた会社の役に立てる仕事を任せてもらえるなら、と嬉しく思っていました。ところが、掃除用具入れにはホースと雑巾、クレンザー(洗剤)のみ。雑巾を濡らしてクレンザーを泡立たせ、手で便器を掃除する、という過酷な試練が待ち受けていたのです。トイレブラシという便利アイテムがある時代に、この掃除方法にはかなり驚いたのを覚えています。抵抗がかなりありましたが、とにかくやるしかない、と我慢してトイレ掃除をやりました。

この方法で掃除を続けましたが、人間というのは不思議なもので、素手で雑巾を使って便器を掃除するのにも抵抗が無くなり、平気な顔で掃除できるようになりました。そして、一年ほど経ったある日、新しい所長がやってきました。朝、いつものように掃除をしているとトイレに所長がやって来ました。所長「おはよう。」筆者「おはようございます」(雑巾で便器をゴシゴシ)所長は掃除をしている私を二度見すると「なにをしている!?」と大きな声を上げました。「掃除です」、と筆者が答えると所長「なんていう掃除の仕方をしているんだ」と。ずっとこの方法で掃除していると説明すると、絶句した所長は他の社員を呼んで「誰かブラシを買ってやれ!洗剤もだ!」と大声で怒鳴りました。

あれから20以上年経ちました。、若い社員若者たちにこの話をすると「スカッとジャ〇〇みたいでいいっすね」と笑って言ってくれます。ちょっとした苦労話のつもりで同情してほしくて話したのですが、彼らにとってはTV番組のネタとしか見えないということが、妙におかしかったですね。

いつまでも時は止まっていなくて、生活の変化とともに人の中身も変わっていきます。Z世代とか呼ばれている新人類たちには私が経験した苦行はウケる笑い話になっています。社会人に必要な経験とか、働き方とか、現代に沿ったものが必要なのだということを改めて知るきっかけになりました。

いまだに、そんなイジメのような掃除をさせている会社があるとは思えませんが、「ひょっとしたら」と思うこともあります。かつての自分を振り返ったとき、所長に助けられるまで、じっと耐えていたあの行動が正しかったとは思いませんが、それを後悔したことは一度もありません。「お人好し」と言われることもありますが、当時の上司が私のためを思って経験させてくれていたのだと思うようにしています。人との出会いや繋がりというのは、今でも配車を続けている筆者を支えてくれている大切なものです。どんな経験だろうと、人の心ひとつで未来の糧になるのです。なんて、ちょっと良いことを言ってみたところでこの話は締めておきます。

まとめ

ひどいトイレ掃除はダメ、絶対!新入社員には優しくしましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました!