例えば、いくら立派な野菜を仕入れることができても、お客さんがいない場所で八百屋を始めると潰れちゃいますよね。でも、「あんたが八百屋を始めるなら絶対に買いに行くよ」というお客さんが先にいれば、いい仕入れ先が見つからなくても、何とかやっていくことができます。運送会社も同じように、先に荷主がいれば(荷物があれば)、ずいぶんとやりやすいはずです。そこで、荷主に選ばれるために、運送会社は何をすればいいのか考えてみたいと思います。
荷物から先に
荷物が先か?トラックが先か?みたいな議論を配車マン同士でしたことってないですか?「卵が先か?ニワトリが先か?」と同じだと思ってしまいがちだけど、順番で言えば、先に考えなければならないのはやはり荷物です。いくらたくさんトラックがいても「運んでほしい」といってくれるお客さんがいなければ潰れちゃいます。だから、荷主に選ばれる運送会社になる必要がある。まずはここから始めないと、どうやって選んでもらえる運送会社になるのか、考えられないと思います。
ファンになってもらう
商売をするときに、「あんたが始めるなら、俺は客になるよ」と言ってくれるお客さんがいるっていうのは相当な強みになります。超有名な実業家たちも口をそろえて「先に熱心なファンを捕まえている奴は稼げるよ」って言ってますもんね。それぐらい、人に支援されるっていうのは素晴らしいことなんです。荷主にそれだけ気に入られるようになるには何をすればいいんでしょう?ただ「運ばせてください」って営業にいくだけではきっとダメでしょうね。
選ばれ方
「荷主はどうすればあなたのファンになってくれるんでしょう?「信頼を得る」たしかにそうなんですけど、どうやって信頼を得るんですか?しーん…。それが分かれば苦労しません。だけど、やみくもに動くよりも、まず相手(荷主)がしてほしいことは何か?っていうことを考えるといいかもしれません。だからって、あなたが提供できるサービス(運送)に関係がないことを考えてみても仕方ありません。どうせ考えるなら、荷主が、あなたの運送サービスをつかって、どんなことを実現したいと思うのか?を想像してみるといいのかもしれませんね。
安売りはしない
「荷主は少しでも安く運んで欲しいと思っている」う〜ん…。確かにそういう願望もあるのかもしれませんね。それで荷主が実現できるのはコストの削減です。商品(製品)を販売することで得られる利益が、削減されたコストの分だけ増える、つまりお金が得られるってことです。でも「安かろう悪かろう」という言葉があるように、運送サービスを安く提供すると、繁忙期にトラックを提供できなくなったりします。そうなると、荷主は売れるはずだった商品を売ることができなくなり、ゲットできるはずだった利益も失ってしまうことになるのです。結局、あなたのためにも荷主のためにもならない提案なんか、しないほうが良いんです。
どんなときも
荷主はあなたのサービスに何を期待していると思います?運ぶトラックを提供する会社に、荷主が期待することは一つ、運ぶことです。でも、普段は運べても、めっちゃ物が売れて、あっちにも、こっちにも運んでほしいっていう肝心なときに「運べません」っていうかもしれない運送サービスなんていらない、ってなると思いますよ。そうです。どんなときでも運ぶ、っていうだけでも、荷主の期待に応えることになるんです。ただ難しいですよ~。いつもより荷物が多いとき、急に運んでほしいって言われるとき、そして繁忙期まで…。どんなときも運ぶっていうのはかなり難易度が高いミッションなんですね。
トラックの確保
さて、ここまで考えることができたら、「トラックが先か?」の話をしましょう。「トラックが先」と思ってしまう配車マンには、「どんなときも運ばなけらばならない」という意識が働いていると思われます。自社のトラック台数で足りなければ、傭車先に協力してもらう必要があります。とにかく、どんな手を使ってでもトラックを確保し、「運べない」ことで荷主が損失を出さないようにしたいと考えているのです。もしも、あなたに「トラックが先だろう」とか「トラックの確保をしなければ」という思いがあるのなら、すでに荷主に選ばれる資質を手に入れているのかもしれません。
まとめ
荷主に選ばれる運送会社。それは「いつでも運べる」会社じゃないかと思います。いつでも運べるようにトラックを確保しておきましょう!
お知らせ
『流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案』(国土交通省ウェブサイト資料)が交付決定されました。下請けに対する規制が厳しくなると繁忙期のトラックさがしも一層難しくなりそうです。そこで、新たに協力会社と知り合う新規開拓をするのも一つの手です。運送業の新規開拓の新しい形、配車ステーションについて詳しくはこちらをご覧ください。
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