よく聞く「ダンピング」とは?
ダンピング(不当廉売)とは
不当廉売は,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)において,不公正な取引方法の一つとして禁止されている。
出典:公正取引委員会ホームページ(https://www.jftc.go.jp)
「不当廉売(ふとうれんばい)」と「ダンピング(dumping)」の意味は同じです。日本では、不当廉売は独占禁止法で規制されています。不当廉売の規定は以下の2つです。
(1) 独占禁止法第2条第9項第3号
正当な理由がないのに,商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給することであつて,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの。(2) 不公正な取引方法第6項
法第2条第9項第3号に該当する行為のほか,不当に商品又は役務を低い対価で供給し,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること。出典:公正取引委員会ホームページ(https://www.jftc.go.jp)
運送業界で例えると、正当な理由がないのに、継続して相場を著しく下回る運賃で走る(他の運送会社も運賃を下げざるを得ない状況になる)ことがこれに当たります。
もし、ダンピングをしたら…
日本では、不当廉売の疑いがある場合、公正取引委員会が審査を行います。
過去10年以内に法定不当廉売を行ったとして行政処分を受けたことがあるなど一定の条件を満たす場合には,課徴金の納付が命じられる
出典:公正取引委員会ホームページ(https://www.jftc.go.jp)
課徴金の金額は、違反行為をした期間中の対象商品or役務の売上額or購入額に、事業者の規模に応じた算定率を掛けて計算されます。
不当廉売がダメな理由
競合を潰して独占
トラック運送業で例えます。競合するA運送、B運送がいたとします。A運送は、競合のB運送に勝つために、相場を大きく下回る運賃で走りました。1度ではなく、何度も継続して安い運賃で請けます。するとB運送は、A運送の運賃より安くせざるを得ない状況に持ち込まれ、事業の継続が難しい状況に追い込まれてしまいました。
このように、不当廉売を許してしまうと、簡単に競合を潰すことができてしまいます。競合が潰れるまで不当な運賃で請け続け、独占できる状態になってから運賃を上げれば儲かりますよね。公正かつ自由な競争を維持、促進するために、不当廉売は規制されています。
それは企業努力ではない
上の例のようにすることも企業努力の1つだ、他社との差別化だ、戦略だと思う方もいるでしょう。しかし、それは努力でもなんでもなく、競合を蹴落として独占し、楽に稼ごうとしているだけです。
企業の効率性によって達成した低価格で商品を提供するのではなく,採算を度外視した低価格によって顧客を獲得しようとするのは,独占禁止法の目的からみて問題がある場合があり,そのような場合には,規制の必要がある。
出典:公正取引委員会ホームページ(https://www.jftc.go.jp)
企業努力でのコスト削減による低価格化は規制されていません。正しい企業努力を行いましょう。
まとめ
不当廉売、ダメ、絶対!
お知らせ
『流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案』(国土交通省ウェブサイト資料)が交付決定されました。下請けに対する規制が厳しくなると繁忙期のトラックさがしも一層難しくなりそうです。そこで、新たに協力会社と知り合う新規開拓をするのも一つの手です。運送業の新規開拓の新しい形、配車ステーションについて詳しくはこちらをご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。