先行き不安な2024年を見据えた競争戦略として、以下のようなアプローチが考えられます。
顧客ニーズに合わせたサービス提供
まずは今一度、顧客のニーズを正確に把握し、それに合わせたサービス提供を行おうとすることが大切です。輸送方法を法改正に応じてカスタマイズし、顧客満足度を低下させないように努力しなければなりません。顧客に運行状況の情報提供を行ったり、トラブル時の迅速な対応をすることはもちろん、品質・コスト面でも競合の上をいこうとする姿勢が必要になります。
コストパフォーマンスによる価格競争力の向上
2024年を控えた運送業とはいえ、事業活動を行う上で価格競争力を高めることは必須です。他社よりも優秀なコストパフォーマンスを見せるには、例えば省エネルギー車両の導入、輸送ルートの最適化、ドライバー採用の最適化などの施策が挙げられます。ただし、コストを下げるような価格競争だけではなく、サービス品質や付加価値の向上が重要です。いくら競合より安い運賃を設定しても、サービス品質が低ければ、荷主のリピートにつながらず、結果的には事業継続性に影響を及ぼす可能性があります。
新技術の導入
自動運転技術やAI技術、ドローン技術など、新しい技術の導入によって、業務の効率化やコスト削減を図ることができます。ただし、自動運転技術はドライバー不足の問題解消を期待されていますが、導入には時間もコストもかかるため現実的ではありません。
まとめ
協業や協力関係を築くことも大切ですが、人が社会を構成している限り、競争は避けては通れません。「飛び越し」「下を潜る」などの表現で嫌がられる営業も競争には違いありませんが、負の面だけに注目し、競争を回避してばかりでは、事業継続が困難になるというのが現実です。「物流クライシス」などの言葉も聞かれるようになって、ネガティブになりやすくなっていますが、こんな時だからこそしっかりと競争戦略を練って、競合の一歩先をいく努力が必要なのかもしれません。