これは運送会社を探しているあなたのための記事です。トラックではなく、運送会社を探している、ということは何らかの理由で運ぶ運送会社がいない、という状況にあるということ。これをそのままにしておくと、運べないので顧客からの注文を受けることができません。つまり、運べない分の売上がない状況が続くのです。「運ぶトラックがいない」というのはそれだけ恐ろしい事態なのです。
なぜ運送会社を探さなければならないのか?
トラック手配の担当者のあなたが、今更のように運送会社を探さなければならなくなる状況は大きく分けて二つ。一つは新たな顧客ができて、トラックの増便が必要になったとき。もう一つは運んでくれていた運送会社がいなくなったときです。
前者ならまだ良いですが、後者の場合は大ピンチ!あなたの状況はどちらのパターンですか?もしも後者のときは、言われなくとも分かると思いますが、早急に手を打たなければなりません。病気と同じです。適切な処置を行わなければ、手遅れになってしまいます。
既存の取引先を大事に
肝心なのは運送会社がいなくなった理由です。ひょっとして、運賃の値上げ交渉がきっかけですか?まさか、交渉してきた運送会社に「ウチを潰す気か!」「運送会社なんて他にもたくさんいるんだぞ!」なんて口走ってませんよね?もし、すでにやってしまっているのであれば、誠実に謝罪をして、関係を修復しましょう。それが一番近道です。企業にとって、仕入先、販売先、どちらも事業を行うのに必要な存在だということは、筆者などが言わなくてもお分かりのことだと思います。
だから、いくらあなたがお金を払う側であっても、取引先に対して誠意を欠くような言動をしても良い、という理由にはなりませんよね。サプライチェーンの一社を欠くことは会社にとって大きな損失。もし、元通り取引をしてもらえるというのなら、プライドなんて捨てて謝罪してしまうほうが断然お得なのです。
意外といない運送会社
既存取引を行っている運送会社を失うことが、どれだけあなたの損失になるのかお分かりいただけたと思います。では、ここからは、どうしても新たに運送会社を探さなければならなくなったときの探し方についてお話しします。ネット検索すると、たくさんの運送会社のHP(ホームページ)がヒットするので、「運送会社なんていくらでもいる」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
もしかして、あなたも「日本全国どこへでも、どんなものでも運びます!」というHPの運送会社に問い合わせして、断られたことがあるんじゃないですか?実は何でもやる、と言っておきながら仕事を選んでいる運送会社って意外に多いんです。つまり、あなたの会社の荷物を運ぶ、という条件で運送会社を探すとなると、ネット検索でヒットするほど多くの運送会社はいない、ということです。
お金の話を先にするのはNG
まさか、問い合わせのときに予算を先に伝えていませんよね?よほどいい運賃を支払えるっていうならいいんですが、先に予算の話をするときっていうのは、できる限り安く運んで欲しいっていう願望が先走っている心理状態のときです。運送会社の仕入値が安く済んでいたデフレの時代なら、「安く運んでほしい」という相談に乗ってくれるところもあったかもしれませんが、燃料含め物価高騰のこの時代、予算の話から始める新規の荷主は運送会社に選ばれにくくなっています。予算、見積もりについては、取引の目途がたってからでも遅くはありません。まずは運行の条件について詳細を話し、対応が可能であるかどうか聞いてみることから始めましょう。
情報のアップデート
例えば、中古車を買おうとしても、情弱(情報弱者)ではいい様にやりこめられて、とんでもない車をつかまされてしまいます。相手が嘘を言っているかどうか見抜くためにも、情報収集は必須です。「仮にもトラック手配の担当者だからある程度は把握している」と思うかもしれませんが、運送会社との交渉を有利にすすめたいのであれば、更新されたフレッシュな情報を収集することをおススメします。
例えば、物流関連2法の改正についてご存知でしょうか?2024年4月26日に国会で可決され、早いものは一月以内、遅いものでも同年8月には施行となります。この法改正によって、運送事業者に義務化されること、それを実行することでかかるであろう費用、などを正確に把握することができれば、運賃交渉において役立つことは間違いありません。また、2024年問題に端を発した、運送業の変化はあなたにとっても対岸の火事ではありません。こういった情報は出荷元企業、納品先企業もチェックしておいて損はないでしょう。
物流関連2法改正の法律案が閣議決定(国土交通省)
物流関連2法改正の施行期日について(国土交通省)
一社でも多く信頼できる会社と
電話帳などで問い合わせリストを作成し、準備ができたら電話で問い合わせを始めましょう。条件の伝え方などは、良くご存知でしょうから、ここでわざわざ説明はしません。中には、あなたが情報に疎いと決めつけ、強い口調でマウントを取ったり、騙そうとするような輩がいるかもしれません。もし、このような運送会社に当たったときは即刻交渉を中止しましょう。運送会社探しで失敗したくなければ、誠実な担当者がいる運送会社を選ぶと良いでしょう。
少しだけ見分け方のアドバイスをすると、誠実な運送会社は聞き上手です。きっと、あなたが条件を言い終わるまでじっと話を聞いてくれます。そしてそれだけではなく、その後で質問をしてくるはずです。運送会社が質問するときというのは、運行できるかできないかの判断しているときです。その後の結果がどうなったとしても、何とか対応をしようとする会社というのは信頼できます。運送会社を探すというのは、あなたの会社のサプライチェーンにおいて欠かすことができない協力者を探すということです。問い合わせを通して信頼できる運送会社と一社でも多く知り合うことができれば良いでしょう。
まとめ
運送会社探し=(イコール)協力者探しです。サプライチェーンが機能しないビジネスは成功しません。良い運送会社と出会えるよう、しっかりと準備して臨みましょう!
お知らせ
『流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案』(国土交通省ウェブサイト資料)が交付決定されました。下請けに対する規制が厳しくなると繁忙期のトラックさがしも一層難しくなりそうです。そこで、新たに協力会社と知り合う新規開拓をするのも一つの手です。運送業の新規開拓の新しい形、配車ステーションについて詳しくはこちらをご覧ください。